一夜だけのプリンセス

服飾デザイナーのジェシカは最高級の織糸の買いつけのため、ヨーロッパの小さな公国アルプアズーリにやってきた。
カーブを切るたびに、絵葉書のような景色が現れる。
事故が起こったのは、君主の居城が見えてきたときだった。
彼女が運転する車に飲酒運転の車が接触し、相手の女性は車ごと崖から海へ転げ落ちていった。
六日後に目覚めたとき、ジェシカがいたのは病院ではなく、ラウル・ルイ・ダペルジュネの城だった。
事故で命を落としたのはラウル王子のフィアンセだという。
なんということをしてしまったのだろう。
ジェシカは茫然とした。
夏のある朝、レイチェルが川岸で読書をしていると、一糸まとわぬ男性が川から上がってきた。
わたしは幻覚におそわれているのかしら? レイチェルは自分の目を疑ったが、それはまぼろしではなかった。
たくましい肩、幅広い胸、引きしまった腹部……。
まるで大地を突き破って現れた異教の神のようだ。
その男性が幼なじみのコーリーだとわかるやいなや、レイチェルは心臓が止まりそうになった。
放蕩貴族として名を馳せるコーリーが、なぜここに?ハーリー家にとってオクセンデン家は不倶戴天の敵だった。
内戦のどさくさに紛れ、一族の館は彼らに奪われたが、その正当な権利を主張して両家は争いを続けていた。
ある日、オクセンデン家のマーカスが訪ねてきて、自分とケイトが結婚すれば万事解決と取り引きを持ちかけた。
ハーリー家の娘であるケイトに選択の余地はなかった。
マーカスは魅力的な紳士で、惹かれはするものの、取り引きの相手としか自分を見ない彼には反発を覚える。
そこへ、大伯母からこの取り引きを覆す方法があると知らされ、ケイトはマーカスの裏をかこうと心に決めた。
コンウィ・アプ・イファン―― コンは女王の命を受け、吟遊詩人を装ってウェールズを旅している。
親のない貧しい若者の彼には、ひとつだけ甘い思い出があった。
イーニッドという娘と恋仲になり、共にした一夜。
しかし、身分の違いゆえに彼女のことを諦め、出世と冒険を求めて故郷をあとにしたのだった。
使命を果たす途中で領主の家に立ち寄ったとき、コンは思いがけずイーニッドと再会する。
ところが、久しぶりに会ったというのに彼女の態度は冷たい。
この歳月の間に、いったい何があったというのか。
元ショーガールのミスティには秘密の恋人がいた。
アメリカ有数の大富豪エリオット家の御曹司、カランだ。
二人が付き合いはじめて、もう数年になるが、ミスティは今の状態に満足していた。
二人は住む世界が違う。
永遠に続く関係など望むべくもない。
ところがある日、ミスティは体調の変化に気づいた。
カランの子をみごもったんだわ。
いったい彼にどう伝えればいいの? 思いあぐねるうちに、ミスティはダンス中に倒れ、病院に運ばれる。
かけつけてくれたカランは、ミスティの妊娠を知り、思いがけない言葉を口にした。
続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60017049